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海の底に沈む灰のように

by kumami

(二〇〇六年七月十一日の日記より)

遠い昔に噴火して遠い宇宙をふわふわと漂っていた微粒の火山灰が

空の割れ目から海面に降ってきて

波やうねりや海流に翻弄されながらも

ただひたすら海底を目指してゆっくりと落ちていくような

そんな気分が続いている

静かといえば静か

落ち着いているといえば落ち着いている

落ち込んでいるのとはちょっとちがうみたいで

諦めにも近く

嵐の前にもそういえばこんな感じかもしれないし

前向きでもなければ後ろ向きでもない

絶望というほどおおげさなものではなく

希望がまったくないかといえばそうでもなさそうで

幸福感に浸って不感症になっているわけでもない

なんだろうこの感覚は

何かに怯えているともいえるし

何かを期待しているともいえる

終りでもなく始まりでもない

終りのようでもあり始まりのようでもある

記憶をたどってみれば

いつものこと?

季節とともに変化する心の状態

いつもの朝のコーヒーが

夏の訪れと共にある日を境に紅茶に変わるように

ある一日を始まりにアイスコーヒーが喉から手が出るほど飲みたくなるように

まったく読書意欲の湧かない季節や

一時たりとも本を手放したくない季節があるように

そのどちらでもないほんのわずかな中間の季節

どうなんだろう・・・

時には季節や自然に逆らってでも何かを必死でやらないといけないときがあるのかな

いつまでも無理なく自然のままありのままではいけないのかな

スーパーの無い人通りの少ない道を歩いて帰る。

肌に心地いい風が吹く。

これ以下だと寒いし、これ以上だと暑い、微妙な適温の夜風。

部屋に近い路地を曲がる頃、海が聞こえてきた。

波が砂が大きく動いていることだろう。

明日は母の誕生日。

お祝いの安いニットを心地良い夜風の中、郵便局へ出しに行った。

これ以上でもこれ以下でもない心地良い風の中。

自転車がすいすい進むと、まるで低空飛行でもしている気分だった。

★場所の情報など

写真は茅ヶ崎海岸。二〇〇五年~二〇〇六年。

カメラはオリンパスμ

(海辺の生活シリーズ、まだ続くかも?心地良い風の感じ、いまでも思い出せそう。)

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